子宮筋腫の治療(2)その他の治療
Healthcare
監修:小野澤 志郎 先生(杏林大学 医学部 放射線医学教室 准教授)
子宮動脈塞栓術(UAE:Uterine Artery Embolization)
筋腫に血液を送っている血管を塞ぐことで、筋腫への栄養を途絶えさせて縮小させる治療法です。
-
治療のしくみ
足の付け根から細い管(カテーテル)を挿入し、子宮動脈に小さな粒子を注入して血流をブロックします。 -
特徴
局所麻酔で行われ、お腹に大きな傷は残りません。2014年より保険適用となっており、国内でも普及しています。 -
留意点
将来の妊娠への影響が完全に否定されていないため、現時点では妊娠を希望する方には推奨されません。また、数年を経て筋腫が再び大きくなることもあり、経過によっては再度治療を検討する場合もあります。 -
入院期間の目安
数日〜1週間程度となることが多いです。 -
適しているケース
子宮を残したい、手術を避けたい、症状を改善したいと考えている方
子宮内膜焼灼術(MEA:Microwave Endometrial Ablation)
筋腫そのものを取るのではなく、出血の元となる「子宮内膜」を治療することで、子宮筋腫による症状の一つである過多月経を改善する方法です。
-
治療のしくみ
腟から子宮内へ細い器具を挿入し、電子レンジと同じ原理のマイクロ波を用いて子宮内膜を加熱・凝固させることにより、月経量を少なくします。 -
特徴
特に過多月経による貧血や、長期間続く出血に悩む方に高い効果を発揮します。子宮全摘出を避けたい方にとっての有効な選択肢となります。保険適用が認められています。 -
留意点
子宮内膜を処理するため、将来の妊娠を希望する方は受けることができません。
筋腫そのものを小さくする効果は限定的ですので、子宮筋腫そのものによる腹部膨満感や頻尿などの症状への効果はほとんどありません。 -
入院期間の目安
日帰り〜数日程度となることが多いです。 -
適しているケース
妊娠を希望しておらず、月経量の多さに悩んでいる方
子宮温存を叶える お腹を切らない治療法
子宮動脈塞栓術(UAE:Uterine Artery Embolization)
子宮を残したまま治療できる方法として、子宮動脈塞栓術(UAE:Uterine Artery Embolization)は日本でも広がっています。
もともとは海外で普及していた治療法で、日本では、2014年に保険診療の対象となり、近年ではガイドラインの整備も進み、実施可能な医療機関が増えています。
UAEは、カテーテルという細い管を使い、筋腫に血液を送る動脈の血流を抑えることで、筋腫を縮小させる治療です。お腹を切らずに行えるため、体への負担が比較的少ない治療とされています。治療は局所麻酔で行われ、太もものつけ根からカテーテルを挿入します。大きな傷が残りにくく、入院期間も比較的短いことが特徴です。
一方で、治療後に再び筋腫が大きくなる場合や、再治療が必要となることもあります。また、将来の妊娠に影響する可能性が指摘されているため、妊娠を希望する方は慎重な検討が必要です。悪性腫瘍の可能性がある場合には適さないことがあるため、医師とよく相談することが大切です。子宮を残したい方、手術を避けたい方、薬の効果が十分でない方などに、新しい選択肢のひとつとして注目されています。